世界には、空気が薄い高い山に住む生き物がたくさんいます。
その中でも特にすごいのが、ハチドリです。
ハチドリは世界で一番小さな鳥として知られていますが、標高が高く酸素が少ない場所でも元気に暮らしている種類がいます。
今回は、そんな「高地のハチドリ」がどのようにして厳しい環境に適応しているのか、そして高地に咲く花との深いつながりについて見ていきましょう。
ハチドリってどんな鳥?
ハチドリは体長わずか数センチで、キラキラ光る羽を持っています。
- ホバリングの名人
羽をものすごい速さで動かし、空中でピタッと止まることができます。羽ばたきは1秒間に数十回にもなります。 - エネルギーがたくさん必要
小さな体で激しく動くため、たくさんのエネルギーが必要です。主なエネルギー源は花の蜜です。
高地の酸素はなぜ薄いの?
富士山のような高い山に登ると、息が苦しくなったり頭が痛くなったりします。
これは、標高が高くなると空気中の酸素が少なくなるからです。
- 気圧のひみつ
高い場所では「気圧」が低くなります。
気圧が低いと空気に含まれる酸素も少なくなり、呼吸で取り込める酸素が減ってしまいます。
高地のハチドリは、この酸素が少ない環境で、ホバリングという激しい運動をしながら生活しています。
酸素が薄い世界でのハチドリの「スーパーパワー」
酸素が少ない中でホバリングするには、特別な体のしくみが必要です。
高地のハチドリには、いくつかの「スーパーパワー」があります。
1. 大きくて強い心臓と肺
ハチドリは体に比べて大きな心臓と肺を持っています。
- 効率よく血液を送る
強く速く心臓を動かすことで、少ない酸素でも血液を全身に届けられます。 - より多くの酸素を取り込む
大きな肺は、一度の呼吸でより多くの酸素を取り込めるよう進化しています。
2. 酸素をしっかりつかむ血液
血液に含まれる「ヘモグロビン」は酸素を運ぶ役割があります。
- ヘモグロビンの進化
高地のハチドリのヘモグロビンは、薄い空気でも酸素をしっかりつかむ形に進化しています。これにより、体のすみずみまで効率よく酸素を届けられます。
高地の花とハチドリの「助け合い」
高地のハチドリにとって、花は欠かせません。
ハチドリと花は、お互いに助け合って生きています。
花の進化:ハチドリに合わせた形
- 長い筒の形
ハチドリのくちばしは細長いため、花も蜜を取りやすい長い筒状になっています。 - 蜜の濃さの調整
高地の花は、ハチドリが効率よくエネルギーを得られるよう、糖度が高めです。
ハチドリの役割:花粉を運ぶ
ハチドリは蜜を吸うと体に花粉がつきます。
次に別の花に移動すると、その花粉がくっつき、受粉を助けます。
花はこれによって種を作り、子孫を残せます。
高地の花はハチドリに蜜を提供し、ハチドリは花に受粉を手伝う。
厳しい環境だからこそ、この助け合いがとても大切です。
5. まとめ
高地に生きるハチドリは、大きな心臓や酸素をつかむ血液など、驚くべき適応力を持っています。
さらに、高地の花との「共存共栄」によって生活が支えられています。
小さな体で酸素が薄い空を舞うハチドリと、高山植物の姿は、「生きる力」と自然界の深い結びつきを私たちに教えてくれます。
WRITERこの記事の著者
hachidori-zukan
【野鳥観察が人生の目的】憧れのハチドリに会いたくて、図鑑サイトを作りました!ハチドリに会える度に、充実していくであろう当サイト。「ハチドリを知るなら当サイト!」って言っていただけるようなサイトを作っていきますので、見守っていただけると、幸いです!

