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非常に小型のハチドリで、まっすぐで極端に短いクチバシを持ちます。
オスは上面が鮮やかな紫色、下面が緑色で、他種と見間違うことはありません。
メスは上面が緑色、下面が白っぽく、特に脇腹にかけて密な緑の斑点があります。
オスもメスも比較的長く、中央が浅く切れ込んだ尾を持ちます。
分布はベネズエラ西部からペルーにかけてのアンデス山脈。
湿潤な矮性林の樹冠部や林縁で単独で見られることが多いですが、開花した樹木では群れになることもあります。
高山のパラモ地帯にも出現し、乾季には低地へ降りることもあります。
季節的な移動については詳しく分かっていません。
基本情報
| 和名 | トゲハシハチドリ |
| 英名 | Purple-backed Thornbill |
| 学名 | Ramphomicron microrhynchum |
| 分布 | ボリビア、コロンビア、エクアドル、ペルー、ベネズエラ |
| 生息地 | 湿潤な山地林の縁、ポリレピス林、パラモ、およびそれらの間の移行帯 ※標高1,700〜3,600mの範囲に分布 ※雨季に低標高から高標高へ移動 |
| 大きさ | 全長8〜9cm、体重約3.5g ※すべてのハチドリの中で最も短いくちばしを持つ |
| 鳴き声 | ・さえずりは「短いブザー音や乾いたトリルが挟まれる、静かな掻くような音の連続」 ・地鳴きは「短い乾いたガラガラ音『トゥルルル』、掻くような『クルル・キット』、長いさえずるようなガラガラ音」 |
| 花 | 情報なし |
| 巣作り | ・外側にコケと地衣類を付けた細かい植物繊維のカップ型 ・水平な枝につくる |
| 繁殖 | ・繁殖期は5月から12月頃までと考えられる ・2個の卵を産み、抱卵期間は16日 |
| 特徴 | 外見(オス):金属的な紫色の上面、目の後ろに白い斑点、虹色の金緑色の喉、青銅緑色の下面、銅色の下尾筒(黄褐色の縁取り)、尾は中程度の長さで、二又に分かれ、暗紫色 外見(メス):輝く緑色の上面、目の後ろに白い斑点(オスと同じ)、白い下面に緑色の点(腹部除く)、オスより短く浅い切れ込みの尾で青銅紫色、外側の羽に白い先端 |
分類
| ドメイン | 真核生物 Eukaryota |
| 界 | 動物界 Animalia |
| 門 | 脊索動物門 Chordata |
| 亜門 | 脊椎動物亜門 Vertebrata |
| 綱 | 鳥綱 Aves |
| 目 | アマツバメ目 Apodiformes |
| 科 | ハチドリ科 Trochilidae |
| 属 | トゲハシハチドリ属 Ramphomicron |
| 種 | チャムネフチオハチドリ Ramphomicron microrhynchum |
保全状況
| 絶滅 | —絶滅の | 恐れのある | 状態— | 低危険 | ||
| EX | EW | CR | EN | VU | NT | LC |
亜種
4亜種があります。
- R. m. andicola Simon (1921)
- R. m. microrhynchum Boissonneau (1840)
- R. m. albiventre Carriker (1935)
- R. m. bolivianum Schuchmann (1984)
亜種R. m. andicolaとR. m. aibventreは「基亜種からわずかな違いしかない」とされています。
亜種ごとの生息地
- R. m. andicola、ベネズエラ西部のアンデス、特にメリダ州
- R. m. microrhynchum、コロンビア、エクアドルのアンデス、およびペルー北西部のカハマルカ
- R. m. albiventre、ペルーのアンデス東斜面、ワヌコからアプリマックとクスコの南まで
- R. m. bolivianum、ボリビア中央部コチャバンバ県のアンデス
※R. m. bolivianumは森林限界よりかなり下の低木地帯にも生息
亜種ごとの見た目
- 亜種R. m. andicolaのオスは緑色の縁取りがある金色の喉当てと、より赤褐色の下尾筒を持つ
- R. m. aibventreは基亜種に非常に似ていますが、オスの下尾筒の縁がより淡色で、メスの下面の斑点が小さい
- R. m. bolivianumのオスは金属的な紫色の上面、暗緑色の下面、灰白色の下尾筒を持つ
WRITERこの記事の著者
hachidori-zukan
【野鳥観察が人生の目的】憧れのハチドリに会いたくて、図鑑サイトを作りました!ハチドリに会える度に、充実していくであろう当サイト。「ハチドリを知るなら当サイト!」って言っていただけるようなサイトを作っていきますので、見守っていただけると、幸いです!

