霧(Fog)とは

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「霧」とは、空気の中にある水蒸気が冷やされて細かい水の粒になり、空気中を漂う現象です。

これらの水の粒が光を散らすことで、私たちの目には白くかすんで見えます。
つまり「地上にできた雲」と考えるとわかりやすいです。

視界が1キロメートル未満になると霧と呼ばれます。

由来と概要

霧は、空気中の水蒸気が冷やされて水滴に変わる「凝結」によってできます。
空気が湿っていて、冷やされると発生しやすくなります。

空気中のちりや花粉などの小さな粒が水滴の核(凝結核)となり、そのまわりに水がついて霧になります。
身近な例では、寒い朝や山の上、海の近くで見られる現象です。

種類と発生の仕組み

霧は、できる原因や場所によっていくつかの種類に分けられます。

放射霧
晴れた夜、地面の熱が空へ逃げる「放射冷却」によって発生します。
地面付近の空気が冷え、湿っていると霧になります。
盆地や川沿いなどで朝によく見られ、日が昇ると消えます。

移流霧
暖かく湿った空気が、冷たい地面や海面の上に流れ込むと発生します。
海沿いや寒流と暖流がぶつかる海域で多く見られます。
陸地に流れ込むと昼間でも長く残ることがあります。

蒸発霧
冷たい空気の上に暖かい水面があると、水面から出た水蒸気が急に冷やされて霧になります。
冬の朝、川や湖から立ちのぼる「けあらし」がその例です。

環境と生態系への役割

霧は、自然の中で重要な働きを持っています。
乾燥地や高い山では、霧が植物の葉に水滴としてつき、それが水源になります。

特に雲霧林では、霧が木々に集まって水を地面に運び、川や地下水を支えています。
雨が少ない乾季には、この霧が動植物の命をつなぐ大切な水になります。

また、霧が多い地域では、湿度が高くなることでコケやラン、シダなどの着生植物がよく育ちます。
これらが樹上に広がることで、鳥や昆虫のすみかが増え、多様な生態系が作られます。
霧は「空気中の水の森」ともいえる存在です。

雲霧林との関係

雲霧林は、山の上に霧がほぼ一年中かかっている森のことです。

熱帯から亜熱帯の標高1000〜3000メートルあたりに多く、コスタリカやエクアドル、コロンビアなどでよく見られます。

このような環境では、霧が常に水を運び続けるため、地面は湿り、木の幹にはコケやランがびっしりと生えます。まるで空の中にある森のような光景です。

ハチドリとの関わり

霧はハチドリにとっても欠かせない存在です。

ハチドリは花の蜜を主食としていますが、霧が多い地域では、着生植物の花が一年中咲きやすく、安定した蜜源になります。

さらに、霧によって保たれる湿度は、ハチドリの小さな体から失われる水分を補う助けにもなります。
山岳地帯の霧は、ハチドリの生態を支える「見えない水の守り手」といえます。

交通や人間生活への影響

一方で、霧は視界を悪くするため、交通の安全には注意が必要です。
道路や空港、港では霧による事故を防ぐため、ライトやレーダーを活用します。

農業では、霧が作物の病気を増やすこともありますが、逆に乾燥を防ぐ効果もあります。

ポイント

  • 霧は地上近くにできる雲
  • 水蒸気が冷やされて水滴になることで発生
  • 放射霧・移流霧・蒸発霧などの種類がある
  • 雲霧林では貴重な水資源となり生態系を支える
  • ハチドリの蜜源や生存環境を安定させる
  • 視界を悪くし、人の生活にも影響する

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WRITERこの記事の著者

hachidori-zukan

hachidori-zukan

【野鳥観察が人生の目的】憧れのハチドリに会いたくて、図鑑サイトを作りました!ハチドリに会える度に、充実していくであろう当サイト。「ハチドリを知るなら当サイト!」って言っていただけるようなサイトを作っていきますので、見守っていただけると、幸いです!