森林被覆率とは

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森林被覆率とは、ある地域のうち、どれくらいの面積が森林に覆われているかを示す割合のことです。
英語では「Forest Cover」と呼ばれます。

一般的にはパーセントで表され、地域の環境状態を測る重要な指標です。

由来・概要

地球の陸地の約3分の1は森林で覆われています。
木々が茂って地上に日光が当たらない森(閉鎖林冠)の割合は、林分の密度や成長度合いを示す重要な要素で、地球規模の環境指標として扱われています。

国連食糧農業機関(FAO)の2020年報告によると、世界の森林面積は約40億6000万ヘクタールで、陸地面積の31%に相当します。

森林の定義は、樹冠被覆率が10%以上、面積が0.5ヘクタール以上、樹高が5メートルを超える土地です。
自然林と人工林の両方が含まれますが、農地や都市開発地は除外されます。

このうち3分の1以上が原生林で、人為的な影響が少なく、在来種の多様な生態系が維持されています。

特徴

世界の森林の半分以上はブラジル、カナダ、中国、ロシア、アメリカの5カ国に集中しています。
2022年時点ではスリナムの森林被覆率が95%、ガイアナが94%、ミクロネシア連邦が92%と、極めて高い水準を示しています。

熱帯地域が世界の森林の約45%を占め、亜寒帯が33%、温帯・亜熱帯が25%です。
また、世界の森林の約半分は広い面積で連続していますが、9%は小さな断片として存在し、森林の断片化が質の低下を引き起こしています。

1990年から2020年の間に、世界では約1億7800万ヘクタールの森林が失われました。
これはリビアの国土に匹敵します。
森林破壊の速度はやや鈍化しており、1990年代の年間損失1600万ヘクタールから、2015〜2020年には年間1000万ヘクタールに減少していますが、依然として深刻な状況です。

ハチドリとの関わり

ハチドリの約80%は森林を主要な生息地としています。
森林被覆率の低下は、彼らの生存と分布に直接的な影響を及ぼします。

特に熱帯の森林伐採は、ハチドリの移動経路や行動パターンを変化させ、開けた土地を避けて遠回りする傾向が確認されています。

熱帯アンデスでは、森林被覆の減少がハチドリと植物の関係性を弱め、送粉ネットワークの多様性を失わせていることが報告されています。
森林の質や面積が減ることで、ハチドリの種数や個体数も減少します。食料資源と営巣場所の減少が主な要因です。

ノドアカハチドリでは、太平洋沿岸で繁殖生息地が著しく失われ、個体数の減少と結びついています。
生息適地は最大で半減しており、森林の質の低下も影響していると考えられます。

生態系サービス

森林は世界で8,600万人以上の雇用を生み出し、数十億人の生活を支える食料・燃料・水資源を提供しています。
また、大気中の二酸化炭素を吸収する炭素吸収源として、気候変動の緩和に欠かせない役割を果たしています。

農業拡大は森林破壊の主因であり、2000〜2010年の熱帯森林喪失の約40%が商業農業によるものでした。放牧や大豆・アブラヤシの栽培が主要因とされています。
世界の森林の約18%は法的な保護区域内にありますが、気候変動など外的要因により、保護区のみでは十分とは言えません。

1990年以降、約4億2000万ヘクタールの森林が失われ、生物多様性の低下や感染症リスクの増大が懸念されています。
持続可能な森林管理は、地球温暖化の軽減と生態系保全の両立に不可欠です。

ポイント

  • 森林が地域を覆う割合を示す環境指標
  • 地球の陸地の約31%が森林で構成される
  • ハチドリの約80%が森林に依存して生息
  • 森林減少が移動・多様性・送粉関係に悪影響を与える
  • 気候変動緩和と生物多様性保全に重要な役割を持つ

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WRITERこの記事の著者

hachidori-zukan

hachidori-zukan

【野鳥観察が人生の目的】憧れのハチドリに会いたくて、図鑑サイトを作りました!ハチドリに会える度に、充実していくであろう当サイト。「ハチドリを知るなら当サイト!」って言っていただけるようなサイトを作っていきますので、見守っていただけると、幸いです!