生息域(せいそくいき)とは

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生息域とは、生き物が「安心して暮らせる場所」のことです。
英語では「Habitat(ハビタット)」と呼ばれます。

そこには、食べ物・水・隠れる場所・子育ての場など、生きるために欠かせないすべての条件がそろっています。
つまり、生息域とは「生き物の家」そのものです。

由来・概要

この言葉はラテン語の「habitare(住む)」に由来し、「住む場所」を意味します。

生息域という考え方は、生態学で生物を理解するうえで基本中の基本です。
生き物がどんな環境に適しているかを知ることで、その暮らし方や進化の背景を読み解くことができます。

特徴

生息域には、次の四つの要素がそろっている必要があります。

  1. 食べ物(エネルギー源)
  2. 水(体を保つために必要)
  3. 隠れる場所(天敵や天候から守る)
  4. 繁殖場所(子を育てるための安全な場所)

このうち一つでも欠けると、生き物はその場所では生きていけません。
たとえば、森の伐採によって隠れる場所がなくなれば、鳥や昆虫は姿を消します。

生息域の種類

生息域は、環境のタイプによって大きく分けられます。

陸上では、熱帯雨林や草原、砂漠、高山帯など。
水のある場所では、海、川、湖、湿地などがあります。

また、特別な環境としてマングローブ林(海水と淡水が混ざる場所)や、雲が立ちこめる高地の森「雲霧林」などもあります。

生息域の広さは、生き物の性質によって異なります。

渡り鳥やオオカミのように広い範囲を移動する種もあれば、特定の島や山だけに住む固有種のように、とても狭い範囲にしかいない種もいます。

ハチドリとの関わり

ハチドリの生息域は驚くほど多様です。
熱帯のジャングルからアンデス山脈の標高5000メートル近い場所まで、花の蜜があるところならどこでも姿を見せます。

彼らにとって最も大切なのは「蜜源(みつげん)」、つまり花の蜜がある環境です。

ただし、人間の活動による森林伐採や都市開発で生息域が分断されると、群れが孤立してしまうことがあります。
その結果、長い時間をかけて亜種が生まれることもあれば、逆に絶滅の危険にさらされることもあります。

生態系サービスとの関わり

生息域は単なる「生き物の住みか」ではなく、人間にも多くの恩恵を与えています。

森林の生息域は水を貯え、空気をきれいにします。
湿地の生息域は洪水を防ぎ、海の生息域は食料を支えます。

生き物の生息域を守ることは、人間の生活の安定にも直結しています。

ポイント

  • 生息域とは、生き物が生きるために必要な環境条件がそろった場所
  • 主な構成要素は「食べ物・水・隠れ場所・繁殖場所」
  • 陸上、水域、特殊な環境など、さまざまなタイプがある
  • ハチドリは蜜源が豊富な環境に依存しており、生息域の分断は深刻な影響を与える
  • 生息域の保全は、人間社会を支える生態系サービスの基盤でもある

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WRITERこの記事の著者

hachidori-zukan

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【野鳥観察が人生の目的】憧れのハチドリに会いたくて、図鑑サイトを作りました!ハチドリに会える度に、充実していくであろう当サイト。「ハチドリを知るなら当サイト!」って言っていただけるようなサイトを作っていきますので、見守っていただけると、幸いです!