「種間競争」とは、異なる種類の生きものが、限られた資源をめぐって争うことです。
英語では「Interspecific Competition」と呼ばれます。
食べ物、水、光、生息地など、生活に必要なものを奪い合うことで、どちらかが不利になったり、数を減らしたりします。
由来・概要
すべての環境には、利用できる資源の量に限りがあります。
そのため、同じ場所に異なる種が共存すると、自然と競争が起こります。
植物でも動物でも、環境の中で生き残るためには、資源の確保が欠かせません。
この競争が生態系全体の構造を形づくり、進化を促すきっかけにもなります。
特徴
種間競争には二つのタイプがあります。
資源競争(利用競争)
直接の攻撃はせず、光・水・食べ物などの利用をめぐって間接的に争います。
例として、森林では背の高い植物が光を独占し、低木が育ちにくくなることがあります。
草食動物では、同じ植物を食べるシカとウサギが資源を分け合うこともあります。
干渉競争(直接的な争い)
相手を攻撃したり、行動を妨害したりする競争です。
たとえば、鳥が他の種の巣作りを妨げたり、植物が化学物質を出して他種の発芽を防ぐ例があります。
ハチドリとの関わり
ハチドリは、花の蜜というエネルギー源をめぐって激しい種間競争を行います。
彼らはハチやチョウ、さらには他の鳥と同じ花を狙うこともあり、蜜をめぐる争いが絶えません。
くちばしの形は、この競争を避けるための重要な進化の結果です。
長く曲がったくちばしをもつ種は、他の動物が届かない深い筒状の花の蜜を採取します。
これにより、競争を避けつつ確実にエネルギーを得ることができます。
また、ハチドリは縄張り意識が強く、自分の花を守るために他のハチドリだけでなく、大型の昆虫までも追い払うことがあります。これは干渉競争の一種です。
生態系での意味
種間競争は、進化と共存の両方を生み出す力です。
強い方が勝つだけでなく、負けた側が「すみわけ」を行い、異なる時間や場所で活動することで共存できるようになります。
この「すみわけ」は、生態系の多様性を支える仕組みの一つです。
ポイント
- 種間競争とは、異なる種が限られた資源を奪い合うこと
- 「資源競争」と「干渉競争」の二つのタイプがある
- 競争が続くと、すみわけや進化による共存が生まれる
- ハチドリは、蜜源をめぐって激しい種間競争を行い、くちばしの形や縄張り行動で対応している
関連用語リンク
- 棲み分け
- 競争的排除の原理
- 共進化
WRITERこの記事の著者
hachidori-zukan
【野鳥観察が人生の目的】憧れのハチドリに会いたくて、図鑑サイトを作りました!ハチドリに会える度に、充実していくであろう当サイト。「ハチドリを知るなら当サイト!」って言っていただけるようなサイトを作っていきますので、見守っていただけると、幸いです!

