種間競争(しゅかんきょうそう)とは

この記事は約 4 分で読めます

「種間競争」とは、異なる種類の生きものが、限られた資源をめぐって争うことです。
英語では「Interspecific Competition」と呼ばれます。

食べ物、水、光、生息地など、生活に必要なものを奪い合うことで、どちらかが不利になったり、数を減らしたりします。

由来・概要

すべての環境には、利用できる資源の量に限りがあります。
そのため、同じ場所に異なる種が共存すると、自然と競争が起こります。

植物でも動物でも、環境の中で生き残るためには、資源の確保が欠かせません。
この競争が生態系全体の構造を形づくり、進化を促すきっかけにもなります。

特徴

種間競争には二つのタイプがあります。

資源競争(利用競争)
直接の攻撃はせず、光・水・食べ物などの利用をめぐって間接的に争います。
例として、森林では背の高い植物が光を独占し、低木が育ちにくくなることがあります。
草食動物では、同じ植物を食べるシカとウサギが資源を分け合うこともあります。

干渉競争(直接的な争い)
相手を攻撃したり、行動を妨害したりする競争です。
たとえば、鳥が他の種の巣作りを妨げたり、植物が化学物質を出して他種の発芽を防ぐ例があります。

ハチドリとの関わり

ハチドリは、花の蜜というエネルギー源をめぐって激しい種間競争を行います。
彼らはハチやチョウ、さらには他の鳥と同じ花を狙うこともあり、蜜をめぐる争いが絶えません。

くちばしの形は、この競争を避けるための重要な進化の結果です。
長く曲がったくちばしをもつ種は、他の動物が届かない深い筒状の花の蜜を採取します。
これにより、競争を避けつつ確実にエネルギーを得ることができます。

また、ハチドリは縄張り意識が強く、自分の花を守るために他のハチドリだけでなく、大型の昆虫までも追い払うことがあります。これは干渉競争の一種です。

生態系での意味

種間競争は、進化と共存の両方を生み出す力です。
強い方が勝つだけでなく、負けた側が「すみわけ」を行い、異なる時間や場所で活動することで共存できるようになります。
この「すみわけ」は、生態系の多様性を支える仕組みの一つです。

ポイント

  • 種間競争とは、異なる種が限られた資源を奪い合うこと
  • 「資源競争」と「干渉競争」の二つのタイプがある
  • 競争が続くと、すみわけや進化による共存が生まれる
  • ハチドリは、蜜源をめぐって激しい種間競争を行い、くちばしの形や縄張り行動で対応している

関連用語リンク

  • 棲み分け
  • 競争的排除の原理
  • 共進化
世界で一番美しいハチドリ図鑑
数少ない日本のハチドリ図鑑!
様々な情報源からハチドリをもっと知ろう!

※下の各種リンクボタンはアフィリエイトリンクになっています

WRITERこの記事の著者

hachidori-zukan

hachidori-zukan

【野鳥観察が人生の目的】憧れのハチドリに会いたくて、図鑑サイトを作りました!ハチドリに会える度に、充実していくであろう当サイト。「ハチドリを知るなら当サイト!」って言っていただけるようなサイトを作っていきますので、見守っていただけると、幸いです!