タイガとは、北半球の亜寒帯に広がる広大な針葉樹林帯です。
北方林とほぼ同義で、世界最大の森林生態系の一つです。
由来・概要
タイガは元々ロシア語でシベリアの針葉樹林を指しました。
語源には「静かな森」を意味する説もあります。現在では北半球の亜寒帯針葉樹林全体を指す学術用語として使われます。
地理的分布
タイガはツンドラと温帯広葉樹林の間に広がり、地球をドーナツ状に取り巻きます。
特にシベリアのタイガは規模が大きく、地球上の森林の約25パーセントを占めます。
気候と樹木
冬が長く厳しく、夏は短く温暖です。
樹木はトウヒ、マツ、モミなどの常緑針葉樹が中心で、寒さに適応しています。
シベリアの一部ではカラマツが優勢な地域もあります。
特徴
タイガは針葉樹の純林で構成され、樹種が少なく特定の樹木が広範囲を占めます。
針状の葉は乾燥や寒さから水分を守ります。
土壌
土壌は酸性のポドゾルで、有機物の分解が遅く厚い層が積み重なります。
永久凍土が広く分布し、夏に融ける地表近くの凍土から水分を吸収して樹木が成長します。
動物相
ヘラジカ、オオカミ、ヒグマ、シベリアトラなど寒冷地適応の大型哺乳類が生息します。
分厚い毛皮や脂肪で防寒し、厳しい環境を生き抜いています。
ハチドリとの関わり
タイガは極寒のため、ハチドリの生息域としてはほとんど適していません。
蜜源となる花も少なく、低温で代謝維持が困難です。
境界域での活動
南側の境界や山岳地帯の温暖な地域では、夏季に一部のハチドリが一時的に見られることがあります。
しかし役割は極めて限定的で、生態系全体への影響は小さいです。
生態系サービス:炭素貯蔵
タイガの最も重要な生態系サービスは地球規模の炭素貯蔵です。
低温で分解が遅いため、土壌と植生に大量の炭素が蓄積されます。
地球気候への影響
貯蔵された炭素は二酸化炭素濃度を調整し、気候変動の進行を緩やかにします。
しかし温暖化で永久凍土が融けると炭素が放出され、温暖化を加速させる恐れがあります。
保全は地球全体の重要課題です。
ポイント
- 北半球の亜寒帯に広がる世界最大の針葉樹林帯
- 北方林とも呼ばれ、ロシア語が語源
- トウヒ、マツなどが主で、永久凍土が広く分布
- 低温で分解が遅い土壌に炭素が蓄積
- 地球の気候安定に不可欠な炭素貯蔵庫
関連用語リンク
- 北方林
- 永久凍土
- ポドゾル
- ツンドラ
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hachidori-zukan
【野鳥観察が人生の目的】憧れのハチドリに会いたくて、図鑑サイトを作りました!ハチドリに会える度に、充実していくであろう当サイト。「ハチドリを知るなら当サイト!」って言っていただけるようなサイトを作っていきますので、見守っていただけると、幸いです!

