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大型のハチドリで、長く下に湾曲したくちばしと長い尾をもっています。
腹部と腰は濃い黄褐色で、はっきりした眉と口ひげ状の淡い筋があります。
中央の尾羽は長く、先端に白い斑があり、大型のハーミット類によく見られる特徴です。
アンデス山脈のコロンビアからペルー北部にかけての亜熱帯林の下層に生息し、標高はおよそ1,500〜2,300メートル。これは他のハーミットよりも高い場所です。
暗い森の下層を素早く飛び抜けながら、「ツィート!」という鋭い鳴き声を発します。
時おりヘリコニアなどの花に立ち寄って採餌し、給餌台に現れることはまれです。
基本情報
| 和名 | キバラユミハチドリ |
| 英名 | Tawny-bellied Hermit |
| 学名 | Phaethornis syrmatophorus |
| 分布 | コロンビア・エクアドル・ペルー |
| 生息地 | 主に湿潤な山地林の下層に生息し、森林縁や二次林などにも ※標高は主に1000〜2300mですが、750〜3100mでも記録がある —1000m以下では、近縁のシラヒゲユミハチドリ(P. yaruqui)が代わりに生息 ※基本的に定住性 |
| 大きさ | 体長は約14cm、体重は5〜7g |
| 鳴き声 | 「高音で連続する虫のような『ツィ』」で、複数のオスがレック(求愛場)で同時にさえずる ※飛翔中には「ピート!」という上昇調の音や「スティップ」という柔らかい声も発する |
| 花 | Heliconia属など |
| 巣作り | 円錐形のカップ状で、葉や植物繊維をクモの糸で固め、 垂れ下がる葉の裏に吊り下げる |
| 繁殖 | 繁殖期は地域によって異なり、主に3〜8月、または12月頃とされる 卵は2個 |
| 特徴 | 外見(オス):上面はオリーブ緑。オスは上尾筒が赤橙色です。 外見(メス):メスのくちばしの方が湾曲している 外見(共通):中央尾羽が白く長く、他の尾羽は暗色で先端が明るい橙色 |
分類
| ドメイン | 真核生物 Eukaryota |
| 界 | 動物界 Animalia |
| 門 | 脊索動物門 Chordata |
| 亜門 | 脊椎動物亜門 Vertebrata |
| 綱 | 鳥綱 Aves |
| 目 | アマツバメ目 Apodiformes |
| 科 | ハチドリ科 Trochilidae |
| 属 | ユミハシハチドリ属 Phaethornis |
| 種 | キバラユミハチドリ Phaethornis syrmatophorus |
保全状況
| 絶滅 | —絶滅の | 恐れのある | 状態— | 低危険 | ||
| EX | EW | CR | EN | VU | NT | LC |
亜種
2亜種があります。
- P. s. syrmatophorus(グールド、1852年) コロンビア西部アンデス山地(カウカ川やパティア川流域を含む)からエクアドル西部を経てロハ県まで分布。喉・腹・下尾筒がオレンジ色
- P. s. columbianus(ブーカード、1891年) コロンビア中部・東部アンデスからエクアドル東部、ペルー北部のサンマルティン県にかけて分布。喉と胸が暗褐色
かつては他にも2亜種(P. s. berlepschiとP. s. huallagae)が提案されましたが、
前者は未成熟個体、後者は基亜種と区別がつかないため現在は認められていません。
WRITERこの記事の著者
hachidori-zukan
【野鳥観察が人生の目的】憧れのハチドリに会いたくて、図鑑サイトを作りました!ハチドリに会える度に、充実していくであろう当サイト。「ハチドリを知るなら当サイト!」って言っていただけるようなサイトを作っていきますので、見守っていただけると、幸いです!

