常春気候とは

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一年を通じて春のように穏やかな気候を指します。
英語では「Eternal Spring Climate」と呼ばれます。

高原の涼しさと熱帯の豊かさを併せ持つ、自然と調和した心地よい気候です。

由来・概要

常春気候には厳密な定義はありませんが、「暑すぎず寒すぎない」ことが条件とされています。
主に赤道近くの高地に分布し、日中は涼しく夜は穏やかに冷えます。

この気候を持つ都市には、エクアドルのキト、コロンビアのメデジン、ボリビアのコチャバンバ、中国の昆明、メキシコのクエルナバカなどがあります。
いずれも「永遠の春の都市」として知られています。

赤道直下では昼夜の長さがほぼ一定で、年間を通して気温変化が小さいのが特徴です。
特に山岳地帯では標高による温度の安定が見られます。

特徴

常春気候の地域は山岳都市であることが多く、冷暖房をほとんど必要としません。
そのため光熱費を抑えた生活が可能です。

海洋性気候の影響を受ける地域もあり、たとえばカナリア諸島では貿易風と海流が気温を調整します。
グランカナリア島では夏の平均気温が26〜28度、冬も16度を下回ることはほとんどありません。

ボリビアのコチャバンバでは、最も寒い6〜7月でも平均最低気温3度、最も暖かい10〜11月でも平均最高29度と、年間の変動が非常に小さいです。

ハチドリとの関わり

ハチドリはアメリカ大陸のみに生息し、その約半数が赤道帯に分布します。
常春気候は、彼らが定住するのに理想的な環境です。

エクアドルでは約132種のハチドリが確認され、世界の全種の約40%を占めます。
コロンビアに次ぐ多様性を持つこの地域は、まさに「ハチドリの楽園」といえます。

標高2500〜3500メートルではヤリハシハチドリ、3600〜4600メートルではエクアドルヤマハチドリが見られます。
ミンドやヤナコチャなどの雲霧林では、一年を通じて花が咲き、ハチドリが蜜を求めて飛び交います。

赤道付近は日照時間の変化が少なく、餌資源が安定しているため、渡りをせず留鳥として暮らす種が多く見られます。

生態系サービスの視点

常春気候の地域では、一年中花が咲くため、ハチドリによる受粉が絶えません。
これが森林の再生と植物多様性を支える基盤となっています。

また、気候の安定は農業や観光にも好影響を与えます。
特にエコツーリズムやバードウォッチングでは、一年を通して活動できる点が大きな魅力です。

生活環境としての魅力

常春気候の都市は、退職後の移住先として人気があります。
光熱費が安く、自然の美しさと都市の利便性を両立できることが理由です。

また、こうした地域は持続可能なライフスタイルの実験場ともなっており、エコツーリズムの中心地としても発展しています。

ポイント

  • 一年中春のような穏やかで快適な気候
  • 赤道近くの標高の高い山岳地域に多く分布
  • 暑すぎず寒すぎず、湿度も低い
  • ハチドリの多様性が最も高い地域と重なる
  • キトやメデジンなどが代表的な「常春の都市」

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WRITERこの記事の著者

hachidori-zukan

hachidori-zukan

【野鳥観察が人生の目的】憧れのハチドリに会いたくて、図鑑サイトを作りました!ハチドリに会える度に、充実していくであろう当サイト。「ハチドリを知るなら当サイト!」って言っていただけるようなサイトを作っていきますので、見守っていただけると、幸いです!