ラテンアメリカとは、メキシコ以南の中央アメリカ、カリブ海地域、南アメリカ大陸を含む広大な地域の総称です。
主にスペイン語やポルトガル語といったラテン語系の言語が話され、スペインやポルトガルによる植民地支配の影響を受けて発展してきました。
地理的・文化的特徴
ラテンアメリカという言葉は、北アメリカのアングロアメリカ(アメリカ合衆国とカナダ)と対比して使われます。
この地域の最も大きな特徴は、多様な民族と文化の融合にあります。
地理的範囲はメキシコから南アメリカ大陸の南端まで、33の独立国を含みます。
公用語はスペイン語が中心で、ブラジルではポルトガル語が話されています。
宗教はカトリックが主流で、ヨーロッパ文化の影響が強く残っています。
また、先住民(インディオ)、ヨーロッパ系白人、アフリカ系黒人、そしてそれらの混血(メスチソやムラート)によって、多層的な社会が形成されています。
音楽・食文化・建築なども地域ごとに個性豊かで、共通の植民地時代の影響を受けつつも、多様性に富んでいます。
経済的には、19世紀初頭に多くの国が独立を果たしたものの、社会格差や貧困、政治的な不安定さなど、発展途上地域としての課題を抱えています。
それでも、豊かな天然資源と文化遺産が、国際的な注目を集めています。
自然環境と生物多様性
ラテンアメリカは、地球上で最も生物多様性が高い地域の一つです。
南米のアマゾン熱帯雨林は、世界最大の森林地帯であり、地球の酸素供給や気候調整に重要な役割を果たしています。
また、南米西部を縦断するアンデス山脈には、標高差によって熱帯林から高山帯まで多様な生態系が広がり、無数の固有種が生息しています。
この地域の自然環境は、熱帯雨林、乾燥地帯、草原、砂漠など、気候の変化に富んでおり、動植物の進化と適応を促してきました。
特にアンデスやアマゾンの環境は、地球規模で見ても独自性の高い自然の宝庫です。
ハチドリとの関わり
ラテンアメリカは、ハチドリの進化と多様性の中心地でもあります。
ハチドリはアメリカ大陸のみに分布する鳥で、ラテンアメリカ地域でその種の多様性が最も高まっています。
世界に約340種いるハチドリのうち、およそ半数が南米に生息しています。
特にコロンビア、エクアドル、ペルーといったアンデス山脈沿いの国々では、標高や気候の違いに適応した多様なハチドリが見られます。
ハチドリは、花の蜜を主な食料とし、花粉を運ぶことで植物の繁殖を助ける重要な存在です。
花とハチドリは、互いに形や色を進化させて共存関係を築いており、ラテンアメリカの自然生態系に欠かせない関係性を持っています。
生態系サービス:気候調整と水資源
ラテンアメリカの自然は、地球全体に影響を及ぼす生態系サービスを提供しています。
アマゾン熱帯雨林は「地球の肺」と呼ばれ、大量の二酸化炭素を吸収して気候変動を緩和します。
また、アンデス山脈の雪解け水や森林の降水は、アマゾン川やパラナ川といった大河を形成し、農業や人々の生活を支える水源となっています。
さらに、森林には医薬品や食料の原料となる植物が多数存在し、生物資源としての価値も極めて高いです。
しかし、森林伐採や気候変動の影響により、これらの生態系が失われつつあり、保全と持続可能な利用が急務とされています。
ポイント
- ラテンアメリカは、メキシコ以南のスペイン語・ポルトガル語圏を指します。
- 多様な民族と文化が融合し、植民地の影響を色濃く残しています。
- アマゾン熱帯雨林とアンデス山脈が生物多様性の核です。
- ハチドリの種の多様性が世界で最も高い地域です。
- 地球規模で気候調整や水資源供給に貢献しています。
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hachidori-zukan
【野鳥観察が人生の目的】憧れのハチドリに会いたくて、図鑑サイトを作りました!ハチドリに会える度に、充実していくであろう当サイト。「ハチドリを知るなら当サイト!」って言っていただけるようなサイトを作っていきますので、見守っていただけると、幸いです!

