降水量とは

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降水量とは、一定期間に地表へ降った雨や雪の総量を示す気候指標です。
英語では「Precipitation」と呼ばれます。

単位はミリメートルで、1ミリは「1平方メートルあたり1リットルの降水」を意味します。
地球上のあらゆる生態系を左右する基本的な環境要素です。

由来・概要

降水量の観測は気象学の基礎分野に位置づけられ、雨量計と呼ばれる器具で測定されます。
円筒形の容器に集めた雨水の深さを記録し、その積算値が地域の年間降水量を構成します。

熱帯では年間2000ミリを超える地域が多く、乾燥地帯では100ミリにも満たない場所もあります。
この違いが森林、草原、砂漠といった生態系を形づくり、動物の分布にも影響を与えます。

降水量の分布は大気の流れや海流、地形によって決まります。
山岳地帯では風上斜面が多雨となり、風下側では「雨陰効果」により乾燥する傾向があります。
地域ごとの降水パターンが、気候帯と生物多様性の基盤をつくっています。

特徴

降水量は時間的・空間的な変動が大きい気候要素です。
モンスーン地域では雨季と乾季が交互に訪れ、降水のリズムが動植物の生活周期を支配しています。

コロンビア西部のチョコ地域のように年間1万ミリを超える多雨地帯もあれば、サハラ砂漠のように100ミリ以下の地域もあります。
標高によっても大きく変化し、高地では湿潤な環境が形成されやすくなります。

降水量と日射量のバランスは、植物の光合成や開花に影響します。その結果、降水量は生態系の生産力を支える基盤となります。

ハチドリとの関わり

ハチドリの多様性は、降水の多い熱帯・亜熱帯林で最も高くなります。
アンデス山脈の東斜面やアマゾン流域はその代表例です。

豊富な降水が植生を育み、花が次々と咲くことで蜜源が途切れません。
これがハチドリの繁殖を支える条件となっています。
多くの種は雨季に繁殖期を迎え、十分な食料を利用して雛を育てます。

乾季や少雨の年には蜜源が減るため、一部の種は高標高帯や湿潤な地域へ移動します。

ハチドリは強い雨の中でも飛行できる鳥として知られます。
毎時270ミリの豪雨下でもホバリングを維持し、翼の動かし方を変えて飛び続けます。
過酷な環境でも蜜を求めて活動できるのは、高度な身体的適応の結果です。

用語深掘り:降水量と植生の関係

年間降水量が500ミリ以下の地域では砂漠が形成され、サボテンなど乾燥に強い植物が中心となります。
ハチドリの生息は限られますが、乾燥地に適応した種も存在します。

500〜1000ミリの地域では草原や疎林が広がり、低木や野花を利用するハチドリが見られます。
1000〜2000ミリでは落葉樹林や混交林が発達し、より多様な花蜜植物が育ちます。

2000ミリを超えると熱帯雨林が形成され、ハチドリの種数は最も豊かになります。
降水の総量だけでなく、年間の分布パターンも重要です。

雨季と乾季が明確な地域では渡り行動が見られ、一年を通して降水が安定する地域では定住型の種が多くなります。

近年は気候変動により降水パターンが変化しつつあります。
開花時期のずれが植物とハチドリの関係に影響する可能性が指摘されています。

ポイント

  • 降水量は一定期間に降る水の総量を示す気候指標
  • 地形や海流の影響を受け、地域ごとの差が大きい
  • 豊富な降水がハチドリの蜜源と多様性を支える
  • 強い雨の中でも飛行できる適応を持つ
  • 降水の変化は生態系全体に波及する

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WRITERこの記事の著者

hachidori-zukan

hachidori-zukan

【野鳥観察が人生の目的】憧れのハチドリに会いたくて、図鑑サイトを作りました!ハチドリに会える度に、充実していくであろう当サイト。「ハチドリを知るなら当サイト!」って言っていただけるようなサイトを作っていきますので、見守っていただけると、幸いです!