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構造色とは、物質そのものの色素によるのではなく、光の干渉や回折、散乱などの物理現象によって生じる色を指します。
自然界では昆虫の羽や鳥類の羽毛、貝殻などでよく見られ、見る角度や光の条件によって色が変化する特徴があります。
由来・概要
構造色という概念は、色が化学的な顔料ではなく、微細構造によって生じることから名付けられました。
ナノスケールの層構造や微細な凹凸が光を反射・干渉させることで、多彩で鮮やかな色を生み出します。
鳥類の羽では、メラニンやケラチンの層が光を操作して青や緑、紫などの色を発現する例が知られています。
構造色は羽の中の小さな構造で作られていて、角度や光によって変わります。
物理的仕組み
構造色は主に以下の現象で生じます↓
- 干渉:薄い膜や層が光を反射し、波の干渉によって特定の色が強調される
- 回折:微細な格子状の構造が光を分散させる
- 散乱:小さな粒子や空隙が特定の波長の光を散乱させる(例:レイリー散乱による青色)
これらの現象が組み合わさることで、単一の角度でなく多角度から見ても鮮やかな色彩が生まれます。
微細な層や粒が光をあつかって、いろんな色に見えるんです。
生物界での例
- 鳥類:ハチドリの羽は構造色によって光沢のある虹色の輝きを放つ。これにより、仲間とのコミュニケーションや求愛行動に利用される。
- 昆虫:タマムシやモルフォチョウの翅は光の干渉で鮮やかな青や緑を発現する。
- 植物:一部の果実や花弁も構造色によって光沢やメタリックな色合いを持つことがある。
ハチドリとの関わり
ハチドリの羽色はほとんどが構造色で、光の角度に応じて色が変化するため、同じ個体でも異なる色に見えることがあります。
これにより、異性へのアピールや縄張りの表示、捕食者からの隠蔽などに役立ちます。
また、ハチドリの識別や種間の区別にも構造色は重要な手がかりとなります。
ハチドリは、羽の光り方で仲間や敵にメッセージを送っている
観察のポイント
- 光の当たり方で羽の色が大きく変わることを確認する
- 顔や胸の羽色は特に構造色の影響が強い
- 写真や観察時には角度を変えて色の変化を記録すると理解が深まる
関連用語リンク
- 羽毛
- 色素
- 干渉
- 光散乱
WRITERこの記事の著者
hachidori-zukan
【野鳥観察が人生の目的】憧れのハチドリに会いたくて、図鑑サイトを作りました!ハチドリに会える度に、充実していくであろう当サイト。「ハチドリを知るなら当サイト!」って言っていただけるようなサイトを作っていきますので、見守っていただけると、幸いです!

