アマゾン熱帯雨林とは、南アメリカ大陸のアマゾン川流域に広がる世界最大の熱帯林です。
地球上の熱帯雨林の半分以上を占め、ブラジルを中心に九つの国と地域にまたがります。
地球規模の気候を安定させる役割があり、「地球の肺」とも呼ばれます。
由来・概要
アマゾン熱帯雨林の名前は、この地を貫く「アマゾン川」に由来します。
16世紀の探検家が現地の女性戦士部族を見てギリシャ神話の「アマゾネス」を思い出し名付けた説があります。
また、先住民の言葉で「水の音」を意味する語に由来する説もあります。
熱帯雨林の面積は約550万平方キロメートルで、その60%がブラジルに位置します。
アマゾン川は世界有数の河川で、支流を含めると地球上の淡水の約15%を占めます。
年間を通して多雨で温暖な熱帯雨林気候に属し、数億年の安定した地質条件により、多様な動植物が進化してきました。近年は森林伐採や開発により、生態系が失われつつあります。
特徴
アマゾン熱帯雨林の最大の特徴は、生物多様性の豊かさです。
数百万種の生物が生息し、地球上の生物種の約10分の1にあたります。
樹木は高木が林立し、森林は氾濫によって冠水する「氾濫原林(ヴァルゼア)」と、冠水しない「台地林(テラ・フィルメ)」に分けられます。
代表的な動物にはナマケモノ、ジャガー、コンゴウインコなどがおり、アマゾン川にはピラニアやアマゾンカワイルカなど1000種以上の魚類がいます。
土壌は貧栄養ですが、落ち葉などの有機物が速やかに分解され、養分が循環することで巨大な生態系を支えています。
ハチドリとの関わり
アマゾン熱帯雨林は、ハチドリにとって理想的な生息環境です。
一年中どこかで花が咲いており、ハチドリは常に蜜を採ることができます。
長い進化の過程で植物と共進化しており、花の受粉を媒介する重要な存在です。
ハチドリが訪れる花は赤やオレンジなど鮮やかな色を持ち、細長い筒状で長いくちばしに適した形です。
蜜を吸う過程で花粉を運び、遺伝的多様性を維持します。
ハチドリの活動が、広大な熱帯林の再生と循環を支えています。
生態系サービス
アマゾン熱帯雨林は、地球規模の気候を安定させる生態系サービスを提供しています。
木々は二酸化炭素を吸収し、温室効果ガスの増加を抑える「気候調整機能」を果たします。
また、大量の水分を蒸発させ「空飛ぶ川」と呼ばれる水蒸気の流れを作り、南米や世界の降水パターンに影響を与えます。
さらに淡水や医薬品、食料など多様な資源を提供しており、人類全体にとっての「地球規模の公共財」です。森林破壊はこれらの喪失につながるため、国際的な協力による保護が重要です。
ポイント
- アマゾン熱帯雨林はアマゾン川流域に広がる世界最大の熱帯林です。
- ブラジルを中心に九つの国にまたがります。
- 世界の生物種の約10分の1が生息しています。
- ハチドリは多くの植物の受粉を担い、生態系を支えています。
- 気候調整や淡水供給など、地球規模の生態系サービスを提供しています。
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hachidori-zukan
【野鳥観察が人生の目的】憧れのハチドリに会いたくて、図鑑サイトを作りました!ハチドリに会える度に、充実していくであろう当サイト。「ハチドリを知るなら当サイト!」って言っていただけるようなサイトを作っていきますので、見守っていただけると、幸いです!

