「ブラジル」とは、南アメリカ大陸の東部に位置する連邦共和国です。
正式名称は「ブラジル連邦共和国」。
世界で五番目に広い国土と人口を持ち、南米で唯一ポルトガル語を公用語としています。
アマゾン熱帯雨林を擁する自然豊かな国で、「メガダイバーシティ(超生物多様性)国家」の一つに数えられます。
由来・概要
国名「ブラジル」は、かつて輸出の中心だった樹木「パウ・ブラジル(赤い木)」に由来します。
赤い染料が取れる貴重な木で、16世紀にこの材木がヨーロッパへ運ばれたことから国名として定着しました。
1500年にポルトガル人が到達して以来、長らくポルトガルの植民地でした。
1822年に独立し、帝政を経て1889年に共和制へ移行。
現在は26州と1つの連邦直轄区(首都ブラジリア)から成る連邦国家です。
国旗にある「ORDEM e PROGRESSO(秩序と進歩)」は、フランス哲学の影響を受けた国是を象徴しています。
また、ブラジルは多民族国家としても特徴的です。
ヨーロッパ、アフリカ、アジアからの移民が共に暮らし、世界で最も多くの日系人が住む国でもあります。
特徴
ブラジルの国土は、北部のアマゾン川流域から南部の高原地帯まで多様な地形と気候に恵まれています。
赤道直下の熱帯から、南端の温帯に近い地域まで幅広く、豊かな自然と文化が共存しています。
経済面では、世界屈指の農業大国です。コーヒー、大豆、サトウキビの生産は世界トップクラス。
さらに鉄鉱石などの資源も豊富です。
文化面では、リオデジャネイロのカーニバルが有名です。
サンバのリズムと色鮮やかな衣装に象徴されるように、ヨーロッパ・アフリカ・先住民文化が融合しています。宗教は主にカトリックですが、多様な信仰が共存しています。
ハチドリとの関わり
ブラジルは、世界でも有数のハチドリ多様性を誇る国です。
アマゾンから高原、山岳地帯に至るまで、数百種におよぶハチドリが生息しています。
彼らは、花の蜜を吸いながら受粉を助ける「ポリネーター(送粉者)」として欠かせない存在です。
ブラジル原産の多くの植物は、ハチドリのくちばしの形に合わせた細長い花を咲かせます。
植物とハチドリは長い進化の過程で共に適応してきた関係にあります。
この共進化が、ブラジルの驚異的な植物多様性を支えているのです。
生態系サービス:アマゾンと気候安定の鍵
ブラジルが世界に提供する最大の生態系サービスは、アマゾン熱帯雨林の存在です。
アマゾンは地球の「肺」と呼ばれ、酸素供給と二酸化炭素吸収の両面で地球の気候を調整しています。
また、広大な森林と河川網は、南米全域にわたる水循環を支えています。
アマゾン川流域は、地下水や降雨パターンにも影響を及ぼし、農業や人々の生活を根底から支えています。
一方で、森林伐採や土地開発による環境破壊が進んでおり、気候変動への影響が懸念されています。
ブラジル政府と国際社会は、アマゾン保全を最優先課題として取り組んでいます。
ブラジルはまさに、「地球規模の環境安定を担う国」と言えるでしょう。
ポイント
- 南アメリカ最大の国で、ポルトガル語を公用語とする
- 国名は染料木「パウ・ブラジル」に由来
- アマゾン熱帯雨林を含む多様な自然環境
- 農業・資源・文化いずれも世界的影響力を持つ
- ハチドリは植物受粉に不可欠な生態系の要
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hachidori-zukan
【野鳥観察が人生の目的】憧れのハチドリに会いたくて、図鑑サイトを作りました!ハチドリに会える度に、充実していくであろう当サイト。「ハチドリを知るなら当サイト!」って言っていただけるようなサイトを作っていきますので、見守っていただけると、幸いです!

