内戦(ないせん)とは

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内戦とは、一つの国の内部で武力紛争が発生している状態のことです。
英語では「Civil War Zone」や「Conflict Zone」と呼ばれます。

現在、世界中で36カ国が内戦を経験しており、これらの紛争の多くは国際的な利害によって引き起こされたり、資金提供されたりしています。

由来・概要

内戦は、現代において野生生物とその生息地に深刻な悪影響を与える主な要因の一つです。

生物多様性ホットスポットとの重複

かつて、戦争によって人間の侵入が制限された地域では、一時的に野生生物の生息地が保護される「無人地帯」が生まれることもありました。
しかし、現代の戦争や内戦は、通常、野生生物と生息地に有害な影響を与えます。

過去50年間で、世界の戦争の80%以上が、生物多様性が豊かな地域(生物多様性ホットスポット)と重なって発生しています。
戦争の頻度は過去50年間で大幅に増加しており、野生生物への脅威は、軍事化や気候変動による資源の枯渇によってさらに深刻化しています。

紛争の影響

現代の軍事紛争や暴力的な内戦は、規模、強度、使われる技術が変化しています。
弾薬や化学薬品が野生生物と生息地に即座の影響を与えるだけでなく、長く残る影響も及ぼします。

特徴

紛争地域では、社会経済的な混乱が生態系への圧力となり、野生生物の保護が困難になります。

資源の過剰採取と環境悪化

紛争地域では、野生生物や植生の過剰な採取が進みます。

これは、天然資源へのアクセスが制限される既存の制約をさらに悪化させます。
天然資源の不足は、開発途上国における戦争や内戦の発生を助長するという、環境悪化と暴力的な内戦の因果関係も特定されています。

戦争や内戦は、生態系の脆弱性、資源の利用可能性、暴力的紛争の間の相互作用を強め、増幅させる悪循環を生み出します。

間接的な影響

内戦の最も大きな問題は、広範な経済的混乱と保全活動の優先順位の低下です。
紛争地域では規制が執行されず、自動小銃へのアクセスが増加し、密猟対策パトロールが停止することで、野生生物の個体群が崩壊する主要な原因となりました。

また、国内避難民は、しばしば野生生物や森林産物を生計のために利用せざるを得ない状況に追い込まれます。

戦争による最も深刻な影響は、社会的な不安定性です。
紛争が終結した後も、貧困の市民は食料と収入源として野生生物に依存し続けます。

また、政府は国の再建に取り組むため、野生生物保全を低い優先事項と見なす傾向があります。

ハチドリとの関わり

森林は80%以上のハチドリ種の主要な生息地であり、内戦地域の混乱はこれらの種の生存に直接的な脅威を与えます。

絶滅危惧種の生息地

内戦が長年続いていたコロンビアでは、希少なハチドリ種が生息する地域が紛争により立ち入りが困難になっていました。

  • ニシキワタアシハチドリ: コロンビアのカウカ県に生息する絶滅危惧種ですが、この地域は公共秩序と安全上の問題から、科学者以外によるアクセスが困難でした。生息地は、違法なコカ栽培、火災、焼畑農業などの脅威に直面しています。
  • アオヒゲルメットハチドリ: コロンビアで最も絶滅の危機に瀕しているとされる種の一つです。長期間野生で確認されていませんでしたが、内戦地域の和解後に再発見されています。

平和による保全への変化

2016年9月の和平合意署名後、コロンビアを訪れる観光客が増加しています。

観光が増加するにつれ、多くの農家がバードウォッチングなどの活動を通じて収入を得る可能性に気づき、在来植生を保全する努力を始めるという、保全意識の向上に繋がっています。

生態系サービス

武力紛争は、野生生物の生息地と個体群を結びつける複雑な経路を持ち、生態系の健康を大きく左右します。

野生生物への連鎖的な影響

アフリカでは、紛争の頻度が大型哺乳類の個体群の動向を予測する最も重要な要因となっていました。
戦時中に個体群が著しく減少した例が多くあります。

アフガニスタンでは、地雷が希少なユキヒョウを脅かしています。
また、兵士が山で食料のためにヤギやヒツジを狩ることで、ユキヒョウの獲物が減ってしまうという連鎖的な影響も発生します。

保全活動の継続

政府機関が機能しなくなった紛争地域では、地元の非政府組織や保全活動家が、危険を冒しながら保全プログラムの継続を維持します。
保全担当者が戦時中に脅威にさらされる一方で、彼らの活動は非常に重要となります。

紛争が終結した後も、農村住民が武装したままで野生生物管理の規制が施行できない限り、野生哺乳類個体群は回復できません。
枯渇した野生生物個体群の回復には、何十年もかかる可能性があり、積極的な介入努力が必要となります。

ポイント

  • 内戦は、国内で武力紛争が発生している状態であり、世界の戦争の80%以上が生物多様性ホットスポットと重なっています
  • 野生生物への影響は、直接的な軍事行動よりも、社会経済的な混乱による生息地の過剰利用や密猟増加といった間接的な変化が大きいです
  • コロンビアでは、内戦により希少なハチドリの生息地へのアクセスが困難でしたが、和平合意後の観光増加が保全意識の向上に貢献しています
  • 紛争終結後の環境回復には、積極的な介入と、地域コミュニティや国際機関との強力なパートナーシップが必要です

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WRITERこの記事の著者

hachidori-zukan

hachidori-zukan

【野鳥観察が人生の目的】憧れのハチドリに会いたくて、図鑑サイトを作りました!ハチドリに会える度に、充実していくであろう当サイト。「ハチドリを知るなら当サイト!」って言っていただけるようなサイトを作っていきますので、見守っていただけると、幸いです!