カリブ海の東側に弧を描くように並ぶ小さな島々の集まり。
火山活動でできた島が多く、豊かな自然と多様な文化が共存している地域です。
由来・概要
「小アンティル諸島」という名前は、大きな島々が集まる「大アンティル諸島」に対して、小さな島々で構成されていることからつけられました。英語では「Lesser Antilles」と呼ばれます。
地理的には、ヴァージン諸島から南のグレナダまで続き、さらに西へ伸びてベネズエラ沿岸の島々につながります。カリブ海と大西洋の境界を形づくる重要な弧状列島です。
特徴
この地域は、大西洋プレートがカリブプレートの下に沈み込むことで形成された火山島が中心です。
現在も地震や火山活動が見られ、地質的に非常に動きのある地域です。
島々は三つのグループに分けられます。
北から順にリーワード諸島、ウィンドワード諸島、そしてベネズエラ沖のリーワード・アンティル諸島です。
トリニダード・トバゴは地理的には南米大陸棚の一部ですが、文化や歴史の面ではカリブの一員として扱われています。
火山の山地、マングローブ林、サンゴ礁などが狭い範囲に共存し、多様な生態系を生み出しています。
ハチドリとの関わり
火山島の標高差と多様な植生が、多くのハチドリの生息を支えています。
たとえば、プエルトリコにはプエルトリコエメラルドハチドリ、ドミニカ共和国にはクロモンヒメエメラルドハチドリが見られます。
バルバドスやトリニダード・トバゴでは、アンチルカンムリハチドリなど複数種が確認されています。
島ごとに環境が異なるため、固有種や固有亜種が進化し、ハチドリの進化研究の重要な地域となっています。
生態系サービスと環境課題
小アンティル諸島は、豊かな自然によって多くの「生態系サービス」を人々に与えています。
ハチドリはその一部として、花の受粉を助ける重要な役割を担っています。
しかし、気候変動による海面上昇やハリケーンの激化、観光開発による森林破壊などが深刻化しています。外来種の侵入も進み、固有の生態系が失われつつあります。
現在は各国で国立公園の設立や保護区の整備が進められており、自然と共生する観光への転換が求められています。
ポイント
・火山活動で生まれたカリブ海の弧状列島
・多様な植生と標高差が独自の生態系を形成
・島ごとに進化したハチドリの固有種が多い
・気候変動と開発が生態系に大きな影響を与えている
・環境保全と地域文化の共存が今後の鍵となる
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WRITERこの記事の著者
hachidori-zukan
【野鳥観察が人生の目的】憧れのハチドリに会いたくて、図鑑サイトを作りました!ハチドリに会える度に、充実していくであろう当サイト。「ハチドリを知るなら当サイト!」って言っていただけるようなサイトを作っていきますので、見守っていただけると、幸いです!

