森林限界とは、背の高い木が育つことのできる一番高い場所、または一番北(南)にある境界線のことです
この線をこえると、寒さや風の強さで木が育たなくなり、草や低い木だけが残ります。
森林限界の定義と種類
森林限界には主に二つのタイプがあります。
垂直分布の森林限界(高山の森林限界)
山の高いところで見られる森林の終わりです。
この線より上は高山帯と呼ばれ、背の高い木は育ちません。
雪や風の影響で木が低くなり、ハイマツや高山植物が中心になります。
水平分布の森林限界(緯度による限界)
北極圏や南極圏のように、地球の端に近い地域で見られる森林の終わりです。
この線をこえると、ツンドラと呼ばれる寒くて木のない土地になります。
森林限界を決める主な要因
森林限界を決めるいちばん大きな理由は、木が成長するのに必要な「暖かさ」が足りないことです。
気温(暖かさの限界)
木が育つのは、夏の間の暖かさの合計が一定以上のときです。
多くの研究では、木の成長期の平均気温が6〜7℃になるあたりが、森林限界になるとされています。
その他の環境要因
森林限界付近は風が強く、乾燥しています。
風が葉から水を奪ったり、雪崩や雪の重みで木が倒れたりすることもあります。
こうした条件が木の生育をさまたげます。
森林限界付近の植生(日本の例)
日本の山では、森林限界のあたりで植生が大きく変わります。
風衝地では、木が地面を這うように成長し、旗のような形になることがあります。
森林限界をこえると、ハイマツが多く見られます。
ハイマツは雪の下で冬を越すために背を低くして成長します。
ハチドリとの関わり
アンデス山脈などでは、森林限界の上にあるパラモ(高山草原)にもハチドリがいます。
ただし多くの種は、樹木が花を提供する森林限界付近を主な生活の場としています。
この場所は針葉樹林と高山植物が混じる境目(エコトーン)で、花の種類が多く、ハチドリの多様性も高いです。
寒さの厳しい場所にすむハチドリは、夜に体温を下げてエネルギーを節約する「休眠(トーパー)」という仕組みを使います。
ポイント
- 森林限界は、背の高い木が育つことのできる上限のライン
- 気温(特に夏の暖かさ)が最も大きな決定要因
- 森林限界の上は高山帯やツンドラになる
- ハチドリは森林限界付近で多様な花から蜜を集め、寒さには休眠で対応する
関連用語リンク
- 亜高山帯(あこうざんたい)
- 高山帯
- パラモ
- 垂直分布
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hachidori-zukan
【野鳥観察が人生の目的】憧れのハチドリに会いたくて、図鑑サイトを作りました!ハチドリに会える度に、充実していくであろう当サイト。「ハチドリを知るなら当サイト!」って言っていただけるようなサイトを作っていきますので、見守っていただけると、幸いです!

